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「ヴィレッジ」「掠奪された七人の花嫁」他

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昨年末あたりからこっち、レンタルでちょこちょこ見た映画の話なぞ。

「ヴィレッジ」
予告編やパケのあらすじ見て、クリーチャー系のホラーかと思ってたら、全然違いました。あの予告編は、ちょっと作り方間違ってるような……あっ、もしやミスリードさせる為に、わざとあんな作りに?(違うだろ…)
でもかなり好きです、これ。好みのタイプの作品でした。途中で、もしかしてこれって…とオチには気付くんですが、それでも「うわ〜…」と何とも言えない気持ちにさせてくれます。ラストの、ヒロイン・アイヴィーの一言とか。じわ〜っと精神的にくる怖さが良いです。ユートピアだと思っていた世界も、結局完全なユートピアではなかったということを自ら証明してしまった…という感じなのかなぁ…と思ってみたり。その後の村がどうなっていくのか考えると、複雑です…
ビックリする様な"いかにも"なシーンはあんまりないんですけど、「何か」の姿が画面の端にちらっと映る所や、森の中でアイヴィーの周囲に赤い木の実が一面に広がっているシーンなんかは、ぞくっときますね〜。細かい演出が案外怖いです。アイヴィーの、盲目という設定も結構生きてるし。まあ、盲目にしては、森の中突っ走ってたりして、ええっ…と思ったりもするんですが(笑)。でも健気に頑張るアイヴィーは、好感の持てるヒロインでした。ヴィジュアル的にも好みv* DVDの吹き替えで見たんですが、吹き替えのキャスティングも良かったんじゃないかと思います。
もちろん、ツッコミどころはそれなりにあるんですけどね。20〜30年でそこまで作り上げられるものなの? とか、いくらアレだからって、盲目の娘を一人で森に行かせる父親とか…。でもやっぱり、重箱の隅つつくよりは、雰囲気を楽しむべき映画ってとこでしょうか。ラブストーリーとして見るのもいいかも(笑)。アイヴィーの視るルシアスの「色」って、何色だったんだろー…

「ローズ・レッド」
映画じゃなくて、テレビドラマですね。ウィンチェスターハウスがモデルなの? という感じの幽霊屋敷が舞台のお話。スティーヴン・キングなので期待して見たんですけど、4時間以上あるのにテンポがあんまり良くなくて、ちょっと途中でダレる作品でした。キャラを丁寧に描く所はキング作品らしいな〜て感じで好きなんですが、肝心の幽霊屋敷がそれ程怖くない…。屋敷の雰囲気自体はすごく良いし、石像が動くとことか、部屋が姿を変える瞬間とかは「おぉっ」と思えて良かったんですけどね。テレビだから、特撮やCGにも限度があるのかもしれないけど。何というか、微妙〜にメリハリが足りないんだよね…。主人公(?)のジョイスが、だんだん嫌な人になってくのもなぁ…何かなぁ…;;(それもキングらしいっちゃ、らしいか?)

「シャイニング」
またキング。以前テレビドラマ版を見て、最近原作も読んだので。う〜〜〜ん…個人的にはテレビドラマ版の方が好きです。映像は、綺麗で緊張感もあって確かに素晴らしいと思うんですが。ジャック・ニコルソンの演技が怖くて、スゲーな…とは思うんですが。ダニーの超能力がほとんど意味ない設定になっちゃってたり、ディックが「何しに来たの…」て役回りだったり、ラストが「えっ? それで終わり?! そんだけ?!」て感じだったりで、ドラマ版と原作のラストに涙した者としては、映画版はいただけませんでした…。残念。一番最初に映画版見てたら良かったのかも。

「キャリー」
もいっちょキング(笑)。原作を読んだので、映画も見てみることにしまして。な…泣ける…。初めてオシャレして、プロムに出席したキャリーの幸せそうな笑顔がほんっとに可愛くて、笑顔になればなる程、キャリーの望みはものすごくささやかでごく普通の事なのに…と、可哀想で可哀想で泣けてしまいます…。血を浴びせられた時に、周囲の「皆」が、優しくしてくれた先生までが自分を嘲笑っていると受け止める事しかできなかったというのも、また不幸…という感じで。切ないっス。ラスト辺りは、キャリーとスーが対峙する原作の方が好きかなぁ。
それにしても、キャリー役のシシー・スペイセク、当時27歳だったってマジっスか!! スゲー……

「掠奪された七人の花嫁」
古〜いミュージカル映画です。古いので、背景が書き割りなのが丸わかりだったりして(メイキングによると製作期間と予算が相当少なかったらしいので、そのせいもあるんだろうけど)、うわ〜と思ったりもしますが、とにかく楽しい笑える映画です♪ おススメ*
山奥で暮らす七人兄弟が、やっと結婚した長男に感化されて、自分達も嫁が欲しい! と街で気に入った女の子達をさらってきちゃう(なので、正確には"掠奪された花嫁"は6人ですね(笑)。)という、突拍子もないストーリーではありますが、まったく嫌味のないほのぼのラブコメなので、野暮な事は一切考えずに楽しむのが吉、て感じですね。ミュージカルなのでダンスシーンが沢山あるんですが、お祭りでのダンスシーンは凄いです! ダンスっつーか、ほとんどアクロバット(笑)。あれは一見の価値ありじゃないかと思います。ヒロインである長男の嫁ミリーが、義弟たちに女の子との付き合い方を教えるシーンでのダンスも、すっっごく楽しそうで良いです〜♪

「闇を見つめる瞳」
サイコサスペンス…になるんでしょうか。子供のいない若夫婦が養女として引き取った女の子は、実は逃亡を続ける強盗殺人犯夫婦の一人娘。実の両親が、娘を取り戻そうと若夫婦と娘に迫る…という話なわけですが。「逃げて〜!!!」と手に汗握っちゃうのは確かなんですが、何だか微妙に地味というか、サイコサスペンスな割には大人しい印象の映画でした。若夫婦と女の子が家族になっていく様子は微笑ましくて良いんですけどね。実の両親が娘を取り戻したい理由がイマイチわからないというか。特に父親。愛情からとはとても思えないし…。自分の所有物を他人に取られたのが気に入らないって事なのかなぁ……と想像するしかないのが、印象の弱さの原因かなーとか思ってみたり。謎。最後は、皮肉な結末って感じですね。